あちこち探してパッケージを見つけたが,Windows 3.1 版 だった.しかも FD 1 枚 だった.
FD の中を見てみると WING.DLL とか入っている.当時は DirectX なんてなかったので,個別にこういう直接レンダリングができるツールを入れてたんだよなあ,MicroImages が配っていた MI/X という Free の Xserver にも付いていたっけかなあ,MicroImages は GIS の有名どころの TNTMips を作っている会社だけど,未だに Xserver 経由で動かすバージョンがメインなんだよなあ... とか考えたが解決にはならない.こういうシステムに近いツールを想定されてないバージョンに突っこむのは怖すぎるよなあ.そもそも 16bit だから,動かないか.
ぐらいまで考えたあたりで,Virtualbox 使って Win3.1 を入れればいいんじゃね?と思いついた.昔,FD を廃棄する前に全部 dd でコピーしていたから,FD image はあるはず.
で,ディスクをひっくりかえしてみるとイメージが見つかった.1.44FD 12 枚.小さい.さらにこれが英語版なら 1.44FD 7 枚組みで,しかも 1 枚は最後まで要求されないという小ささ (実質 6 枚).ちなみに日本語版で増えている分は,半分以上がフォントだ.
VirtualBox に新しい仮想マシンを追加,ストレージとして FD のデバイスを足して FD image (Win 3.1 の disk1) をマウントして起動... しようとしたがシステムが無い,と言われてしまった.遠い記憶を探ってみると,そういえば DOS が起動しているところからインストーラを動かしたような気がする.DOS は別売 (というか大抵の人が持ってた) だったよな.
ところが不思議な事に (?),DOS の FD image はどこにもない.どうも作っておかなかったようだ.インストールで使うだけだから,最小限だけあればいいんだけど.
更に探すと bootable FD image みたいなのが出てきた.IBM-DOS7 とか,Win95 の起動イメージだ.disk1 というわけでもなく,非常用に作った奴で,最小限の DOS にツールが入っている.DOS7 は,Win3.1 に対して新しすぎるので,どんなもんかなあ.でも Win95 の起動ディスクなんてほとんど DOS なので,これでいけるかもしれん.
Win95 の image をマウントして起動する.当然 OK.日本語 Windows を入れるためには 日本語環境ではならないが,肝心の CONFIG.SYS はこんなかんじ.
FILES=50
BUFFERS=30
DOS=HIGH,UMB
STACKS=9,256
DEVICE=HIMEM.SYS (1MB 以上のメモリを使うためのドライバ
DEVICE=BILING.SYS (バイリンガル環境構築
DEVICE=JFONT.SYS /MSG=OFF (日本語フォントをメモリにロード
DEVICE=JDISP.SYS /HS=LC (グラフィックモードに移行して日本語を表示
DEVICE=JKEYB.SYS /106 (キーボードドライバ,US キーボードなら /101 に
FILES と BUFFERS は大きめにしておく必要があるようだ.DOS で使うなら半分でいいけどね.
VirtualBOX の設定は,メモリ 64MBに,HDD 500MB.贅沢だなあ.実機でやっている頃は,この半分以下だったよな.
FD から起動できたら,fdisk で HDD の領域確保,再起動して format C:,sys C: でシステムを転送して,上記の CONFIG.SYS とそこに書いてある必要なファイルをコピー.そしたら再起動して,こんどは HDD から起動する.
必要なファイルは IO.SYS MSDOS.SYS COMMAND.COM ANK16.FNT ANK19.FNT BILING.SYS CONFIG.SYS HIMEM.SYS JDISP.SYS JFONT.SYS JKEYB.SYS JKEYBRD.SYS KANJI16.FNT ぐらいだと思う.最初の 3 つは sys C: の段階で自動で入る.
試行錯誤の結果,途中で FD を抜き差ししていると止まりやすいので,あらかじめ md C:\inst して,そこに win3.1 の FD の中身をどんどん入れていく.FD imageを開放して,新しいのを指定して,copy a:*.* していくわけだが,FD image のマウント後に F3 を押すと,直前のコマンドが再入力されるので便利だ.それでも FD 12 枚はなかなかきつい.
コピーが終了したら,setup を起動して,運が良ければインストール出来る.運が悪いと (何度も運が悪かったが),単にフリーズしたり,ファイルの展開が不十分なのかファイルが見付からなかったり,これが多かったが スタンダードモード:MS-DOSエクステンダ外のエラーです なるエラーが出て止まる.PC が速すぎるのが問題なのかもしれない.なんとなく,FILES,BUFFERS を多めにしておくと止まり難いように思う.(後は,Linux よりも Win 環境のほうが良さげ)
上手く入ったらそれなりに動く.でも最初に Win95 のロゴが出て次に Win3.1 のロゴが出るのは変なかんじ.
Win3.1 が入れば Flappy は簡単に入る.WING.DLL も問題ない.SB16 のドライバを入れれば音も出る.ハードの設定はデフォルトの I/O 0x220,IRQ 5.動きがひっかかるような時は全画面モードで.
昔のゲームだが,今でも十分におもしろい.そうそう,昔 200 面までクリアしたんだよな... 1999 年か.OS は Win95/98 だったようだ.
PC-DOS7 でもインストールしてみた.CONFIG.SYS は以下のとおり.
files=40
buffers=20,0
dos=high,umb
stacks=9,256
device=\himem.sys
country=081,932,\country.sys
devicehigh=\$font.sys /p=\ (インストール時は device= のほうがいいかも
devicehigh=\$disp.sys (同上
rem device=\$ansi.sys
キーボードドライバが入ってないが,106 キーで使うときは,フリーの jis_a01.com をロードしていたようだ.もっとも,Win が起動してしまえばキーボードドライバは Win のものを使うし,インストールのときだけ我慢できればどうでもいい話だ.
こっちで必要なファイルは IBMBIO.COM IBMDOS.COM COMMAND.COM CONFIG.SYS $ANSI.SYS $DISP.SYS $FONT.SYS COUNTRY.SYS HIMEM.SYS $JPNHN16.FNT $JPNHN19.FNT $JPNZN16.FNT ぐらいか.この $JPNZN16.FNT が非常に綺麗で,pcf フォントに変換して長く使っているんだよな.
入れてみると少々起動が遅いものの,こちらのほうが安定しているように思う.
ここまで来たら,ということで英語版の Win3.1 も入れた.英語環境で入れればいいので,CONFIG.SYS は HIMEM.SYS の行まででいい.英語版はずいぶんと安定して入る.ユーザの数の差かねえ.
そうそう,ひとつ困ったことがあった.日本語 Win を入れる途中で,ユーザ名を入れる画面があるのだが,そこではカナキーが押された状態になっているのだ.101 キーボードでカナを解除するのってどうやるんだ?
CTRL + Shift + CapsLock らしい.思いつかんわ,そんなの.
いろいろ試したが,直らないなあ.ゲームするには十分だが,文字入力はできんな.