2012年5月16日水曜日

リスクの話


現在、日本の人口が 1.3億人で、交通事故による死者が 5-6 千人/年だ。これをおおざっぱに計算すると (0.5/1万^100)、生涯のうちに交通事故で死亡する確率は 0.5% ぐらいになる。

また、バブルな頃の日本では 1 万人/年以上死んでいた。これまたおおざっぱに計算すると生涯で 1% ぐらいの死亡率だ (1/1万^100)。もし今の交通事情がバブル期のそれに戻るとして、それを避けるためにどのぐらいのコスト (現金なり労力なり) をかけてもいいと思うだろうか?


一方、今回の原発事故で、生涯に 100mSv 以上を浴びる人ってのは、原発作業員以外にはほぼいないと思うのだが、もし 100mSv 浴びたとすると、LNT 仮説によればガン死の確率が 0.5% 上がる。つまり交通事情がバブル期に戻るのと同じだけ危くなるって話だ。


理屈から言えば、この放射能を避けるためにかけてもいいコストというのは、上で考えたコストと一致するはずである。(危険の程度 (=0.5%) も結果 (=死亡する) も似たようなものなので)


一致しない?まあ人間理屈じゃないからね。